Xilinxダウンロードケーブルを作ろう
はじめてのPCB製作練習編

はじめに

XilinxCPLDボードの製作では、CPLDの書き込みにHuMANDATA製のダウンロードケーブルを使用していました。このボードは頑丈にできているので、予備のダウンロードケーブルを製作する必要はないのですが、回路が簡単で動作確認が容易という理由からPCB製作の練習にとりあげてみました。


Xilinxダウンロードケーブル

回路は簡単

Xilinxのサイトをみると、ココとかココ(PDF)とかにパラレルダウンロードケーブルの回路図があります。回路自体は簡単なので、ユニバーサル基板で製作するとすぐにできる程度のものです。D-SUB25ピンのケーブルとJTAGと接続するケーブルを作るほうが面倒かもしれません。これをあえてPCBで作るわけです。

回路図ではダイオードに1N5817をつかっていますが、今回は替わりに1S1588を使います。74HC125は配置優先で、回路図のPinのようにはつないでいません。同じ回路が4つ付いた構造なので全然OK。

CadSoft Eagle

今回利用したPCBツールはCadSoftEAGLE LightEditionです。Windows版とLinux版があり、設計規模によって値段が違います。LightEditionは10×8cmの両面基板まで設計できるものでフリーウェアです。まずはこれで設計のコツを掴むことにしました。

このツールはScematicBoardに分かれていて、回路図とボードデータに矛盾がおきないように連携しています。こういう機能は設計ミスを防ぐ意味で非常に重要なのですが、ライブラリを両方作成する必要があるので面倒です。必要な部品は既存のライブラリには無いことが多いので、コレだけでかなりの時間を必要とします。手軽にPCBを作りたかったし、回路図の作成用にすでにD2CADを既に購入していたということもありましたので、今回はScematicは使わずにBoardを直接編集することにしました、必要な部品と同じパターンを持つ部品は特殊なものでない限りライブラリにあります。

EAGLEにはPDFファイルの解説書(チュートリアル?)があるのですが、図が少なくて読むのが大変です。CadSoftのサイトにはGIFアニメを用いて操作をわかり易く説明したものあります。操作が感覚的に理解できるので、こちらを見たほうがわかりやすいです。こういうのがあると助かりますね。


アートワーク

PCB製作のノウハウはまったくなし

基板データサンプル
EAGLE Boardファイル:
jtagdown.brd EAGLEディレクトリの中のProjectsに適当なディレクトリを作成してその下に置いくと開けます。

Boardを使った作業は結構簡単で、部品を置いてSignalでつなぎます。SignalをつないだところはRouteできるのでざっと引いてみて、他の配線の邪魔にならないように折ったり曲げたりします。手持ちの回路図にマーカーを塗りながら、一本ずつ引いてみました。EAGLEの機能で、DRC(Design Rile Check)があるので、ピン間等が近すぎたり場所などはすぐにチェックできます。Autorouterは今回は参考程度にしか役に立ちませんでした、うねうね引き回す回路はあまり効率的に配線できないようです。

ライブラリは、実際の部品と見比べて確認しましょう、コレを怠ったためにとんでもないことに・・・

↓ダウンロードケーブルのBORDデータ


サンプルを立ち上げて、Ratsnestを実行するとこうなります。

一応、片面に引ききりました、JTAG端子のCN2は上からVCC、GND、TCK、TDO、TDI、TMSが各2本2列に並んでいます

ぱっとみただけでは違和感無いかもしれませんが、D-SUB25ピンコネクタのピンが上下逆になっています・・・・・・・・・なんてこったい。
仕方ないので、変換ケーブルを作成しました。せっかくD-SUB25ピンストレートで繋がるようにしたかったのに・・・トホホ・・・。

M25(オス?)じゃなくてF25(メス?)を使えばよかったのですね、次からちゃんとチェックします・・・。


作成したケーブルは↓のように接続を変換するよう改造しました。

ストレートケーブルのピン番号→変換後のピン番号
1→13
2→12
3→11
4→10
5→9
6→8

14→25
15→24
16→23
17→22
18→21
19→20

エッチングする

作成した回路はレーザープリンタでサンハヤトのプリント基板用のフィルムにプリントしました。またこいつが曲者で、フィルムが熱で柔らかくなってプリンタの途中で詰まってしまいます。仕方ないのでプリント用紙にテープで貼り付けて、用紙ごとプリントしてようやく成功しました。

電子工作の書籍には付録等に基板の版下を半透明な紙に印刷したものが付いていたりします。まだやったことはありませんが、トレーシングペーパーの方が楽に印刷できると思います。次に作るときにトレーシングペーパーで実験してみましょう。

トナーにムラがありましたが、透けるわけではなかったので大丈夫。

↓作成した版下


版下をクランプにはさんでこれまたサンハヤトのちびライトで露光しました。

基板の有効期限を目安に9分ぐらい露光しました。

↓露光中


露光した基盤を現像します。1年くらい前に買った基板でしたが、結構くっきり現像できました。ゆすりながら1分ぐらいできれいに溶けます。基板を水できれいに洗ったら軽く乾かして、パターンをチェックします。切れたところがあればレジストペンや修正液で補強します。パターンを直すのはココが最後なので入念にチェックします。

↓現像中


さて、次はエッチングです。

今度は明るいところで作業できます。45度のエッチング液で8分ぐらいゆすっていると銅がきれいに溶けていきました。

↓エッチング中


↓エッチング後

銅がきちんと除去できました。結構簡単だったなぁ。


残った感光剤はもう一回露光して、現像液で溶かすと楽です。

基板に15分ほどちびライトの光を当てて、現像液でレジストを除去します。

↓露光して再度現像液へ


現像中は写真が撮れないのですが、これなら撮り放題。入れた瞬間うっすらと溶けてサッと紫色になりました。

↓変わる様子

みるみるとけていきます 水の対流だけでも変わっていきます。
ちょっとゆすってみると、はっきり銅の色が見えてきました。

これでエッチングは完了です。
きれいなパターンができて感動しました。
ピッカピカ〜♪。

↓感光剤を除去した後

残った液はポリ容器に入れて保管します

↓変わる様子

現像液は食酢で中和して捨てます。エッチング液はある程度たまったら付属の処理剤(砂鉄)で反応させて、セメントで固めて燃えないゴミだそうです。

雑誌の上に置いて雑誌ごと穴をあけました。切断面がちょっとイマイチ。

↓穴を開けて切断

部品をハンダ付けして完成。ピンヘッダは上からVCC、GND、TCK、TDO、TDI、TMSの順になっています。こうみると、表は閑散として綺麗です。
D-SUB25ピンメスのコネクタは秋葉のジャンク屋の無料コーナーを漁って入手したものです。

↓組み立て


↓ケーブルを作成して完成


XilinxのCPLDをはじめようのストップウォッチをダウンロードしたところ。ケーブルがちょっとかっこ悪い、ケースに入れよっと。

↓ダウンロード中


とりあえず、今回は終了

PCBの作成は結構簡単にできることがわかりました。コレでSOPやQFPのICを使ったものにも手が出せそうです。今回は致命的なミスで変換ケーブルが必要になりました。残念でしたが当初の目的であるPCB製作の練習にはなったので、まぁ良かったかなと。

次にダウンロードケーブルを作るときは、SOPの74HC125でD-SUB25ピンのストレートケーブルがそのまま使えるものでリベンジです。


今回学んだこと

レイアウトやアートワークは難しい。
安易に部品をおくとひききれなくなります。
ライブラリを無条件に信じるな。
現物をきちんと確認しましょう(涙)。
スマートにいくようで、やっぱりオチがつく。
何か作るたびに教訓を得るなぁ。